社会経済研究所

ディスカッションペーパー

統計モデルを用いた震災後の東電・東北電管内の節電量の推定

  • 比護 貴之,高橋 雅仁,所 健一
  • SERC Discussion Paper 11034
  • Date:2011.11.22
   

要約

 

 東日本大震災後、東電・東北電管内で電力供給不足が発生し、社会全体で節電への取り組みが行われた。 今夏の節電への取り組みとその効果を分析・総括しておくことは、今冬以降の節電対策を考える上で重要である。本稿では気温、鉱工業生産指数、 年周期を説明変数とする比較的自由度の高い統計モデルを用いて、ベースライン需要(震災影響が無かった場合に生じたであろう電力需要)を推定し、 震災後から9月末日までの東電・東北電管内における各日・各時刻の需要実績と比較することで、震災後の需要減少量を推定する。また、 鉱工業生産指数を考慮し、生産量低下による需要減少と節電による需要減少を分離する。分析の結果、以下のことが分かった。


 

●東電管内では、2011年は前年に比べて日最大需要(実績平均)が1016万kW減少しており、 そのうち204万kWは日最高気温の平均が前年より1.4℃減少した効果であり、残りが震災影響による。気温影響を除外してもピーク需要は15.6%減少した。 同様に東北電管内では日最大需要が245万kW減少し、そのうち70万kWは日最高気温の平均が1.7℃減少した効果である。 気温影響を除外してもピーク需要は15.3%減少した。また、東北電管内の需要減(245万kW)に対して生産量低下による需要減(37万kW)が占める割合は 15%と、東電管内の同割合(3%)に比べて大きい。

●7-8月の曜日毎の13-16時の需要減少量を見ると、東電・東北電管内共に木曜が多い。平日のみに着目すると、東電管内では曜日間の差異が小さい。一方、東北電管内では木金曜の節電率が他の平日に比べて大きい。自動車業界で稼働日を木金から土日へシフトした効果の可能性がある。

●両管内共に、ピーク時間帯である平日14時の節電率が使用制限期間中は高く、それに比べてオフピーク時間帯である平日の早朝5時や休日の節電率は低い。平日のピーク時間帯での節電が積極的に行われたことが分かる。また、東電管内のオフピーク時間帯の節電率は7月以降同水準で推移したが、東北電管内では、平日5時、休日5時の節電率は7月以降減少しており、夜間需要が増加したことが分かる。

●前年と比べると、2011年夏の気温感応度(平日14時)は、東電管内では53万kW/℃、東北電管内では19万kW/℃減少した。冷房需要における節電の効果と解釈できる。

 

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「社会経済研究所 ディスカッションペーパー」の記載において、意見にかかる部分は筆者のものであり、電力中央研究所又はその他機関の見解を示すものではありません。

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