社会経済研究所

ディスカッションペーパー

電力供給不安・電気料金上昇が国内産業に与える影響
企業インタビュー調査の結果より

  • 若林 雅代,浜潟 純大,間瀬 貴之
  • SERC Discussion Paper 13002
  • Date:2014.03.18
   

要約

 

   東日本大震災を契機に,企業はこれまでに経験したことのない電力供給不安に直面し,また今後の電気料金引き上げへの対応に迫られている.本稿は,企業インタビュー調査を通じ,事業者の現状認識や,想定される影響に関する定性的な情報をまとめたものである.インタビューの結果,電力供給不安に対する見解として,製造業ではいったん停電が発生すると,製造工程や設備の点検・確認作業のため再立ち上げに長時間を要することがあり,電力供給の安定性は,国内生産が比較優位を持つ上でも重要なことが確認できた.また,流通業や外食産業では,国内消費者は商品の質や安全性への高い要求水準を満たすために,安定的な電力供給が必要なこと,金融業では,内閣府ガイドラインや金融庁監督指針等を踏まえ,停電に備えて8〜72時間の業務継続可能なバックアップ電源を確保しており,電力の安定供給は決済業務を維持する上で不可欠と考えられていることが確認できた.
   電気料金上昇に関しては,産業全体でみれば電力コストの割合はさほど高くなく,影響は限定的といえるが,電力投入が多い一部の生産プロセスでは,料金上昇の影響が大きく,製品価格への転嫁も難しいことを確認した.半導体製造における微細加工技術のように,競争力を維持する上で電力を大量に利用する製造プロセスの比重が高まっている産業や,商品の多様化によっても電力投入が増えている産業もあった.エネルギー多消費産業ではすでに合理的な省エネ対策は講じられており,削減余地がないとの指摘もあったが,一部の製造業では老朽化設備の更新による省エネ余地が残っていること,また,非製造業では空調や照明設備の高効率化による削減余地が多く残っていることなどが明らかとなった

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「社会経済研究所 ディスカッションペーパー」の記載において、意見にかかる部分は筆者のものであり、電力中央研究所又はその他機関の見解を示すものではありません。

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