社会経済研究所

ディスカッションペーパー

EUにおける「タクソノミー」の動向−スクリーニング基準の検討状況と今後の見通し−

  • 堀尾 健太、富田 基史
  • SERC Discussion Paper 20003
  • Date:2020.8.17
   

要約

 2020年7月12日、「持続可能な投資の促進のための枠組み」に関するEU規則2020/852が発効した。この規則は「経済活動が、環境的に持続可能かどうかを判断する基準」(EUタクソノミー)の確立を目的としている。EU域内の金融機関および企業は、本規則に基づいて情報開示が求められる。
 本規則では、環境的に持続可能な経済活動の基準として、@気候変動の緩和、A気候変動への適応、B水および海洋資源の持続可能な利用と保全、C循環経済への移行、D汚染の予防と管理、E生物多様性および生態系の保全と回復という6つの環境目的のうち、1つ以上に貢献することが規定された。 これ以外にも、他の環境目的を著しく阻害しないこと、環境以外の価値(人権等の保護)を守ること(ミニマムセーフガード)、スクリーニング基準を遵守することが基準として定められた。
 スクリーニング基準は、個別の経済活動について、環境的に持続可能かを判断するための基準(例えば温室効果ガス排出量の上限など)である。 これは、今後、欧州委員会が定めることになっており、助言機関として、金融や産業界、市民社会などの代表から構成される「サステナブルファイナンスに関するプラットフォーム」等が設置される。
 スクリーニング基準のうち、気候変動の緩和および気候変動への適応に関しては、欧州委員会が設置した技術専門家グループ(TEG)が、規則の成立に先行して検討を行っている。 TEGは、排出量が大きい、あるいは排出削減に寄与する8セクター(電力・ガス、運輸、製造業等)70の経済活動について基準案を提示したが、セクター横断的に一律の考え方があるわけではなく、個々のセクターや経済活動の特性を踏まえたものになっている。

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「社会経済研究所 ディスカッションペーパー」の記載において、意見にかかる部分は筆者のものであり、電力中央研究所又はその他機関の見解を示すものではありません。

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