社経研DP

2020.10.26

米国における気候変動対策の行方-トランプ政権1期目の総括と大統領選挙に向けたトランプ氏とバイデン氏の方針-

  • 気候変動

SERC Discussion Paper 20006

要約

 2017年1月に発足したトランプ政権は、オバマ前政権が定めた温室効果ガス排出の国内規制の撤廃・見直しを進め、前政権が締結したパリ協定からの脱退意向を表明した。他方、連邦議会では、2018年11月の中間選挙の結果、2019年から下院で民主党が多数派となり、気候変動に関する新規立法構想に関する検討が進んだ。一部の州は、パリ協定支持を表明し、キャップ&トレード型の排出量取引や再エネ・原子力の支援策などの独自政策を進めている。そのような中、2020年11月の大統領選挙・議会選挙に向けて、民主党のバイデン候補は野心的な気候変動公約を取りまとめた。
 本稿では、米国における気候変動対策の現状を、連邦行政府(トランプ政権)だけではなく、三権分立(行政、立法、司法)と連邦制(連邦政府、州政府)の全体を俯瞰して整理したうえで、今後の見通しを、2020年の選挙も見据えて考察する。

※本稿は、2020年8月5日に公表したSERC Discussion Paper 2002「米国における気候変動対策の行方-トランプ政権4年目の現状整理と2002年大統領選挙に向けた動き-」に対して、その後の動きを加筆したものである。

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