社経研DP

2016.03.31

電中研短期マクロ計量経済モデルにおける生産ブロック・電力需要ブロックの拡充 -大口電力需要の業種別予測-

  • エネルギー需要
  • 経済・社会

SERC Discussion Paper 15007

要約

 本稿は、経済・電力需要予測に用いる電中研短期マクロ計量経済モデルの電力需要ブロック拡充の概要を紹介するものである。従来は大口電力需要計のみを対象としていたが、この拡充では、大口電力需要関数の生産要因に係るパラメータである生産弾力性の変化を業種別に明らかにした間瀬・林田(2016)の結果を利用し、素材産業と機械産業の2区分を電力需要ブロックに組み込んだ。
 予測精度の検証では、生産弾力性の変化を考慮する場合と、一定の場合について、部分テストと最終テストをそれぞれおこない、その結果を比較した。結果として、生産弾力性の変化を考慮すると、部分テストでは、誤差率は、合計が0.76から0.67(-0.09pt)へ、機械が1.00から0.92(-0.07pt)へ、素材が1.33から1.32(-0.01pt)へ改善した。また、最終テストでは、誤差率は、合計が4.31から3.46(-0.85pt)へ、機械が7.03から4.86(-2.17pt)へ、素材が6.44から5.80(-0.64pt)へ改善することがわかった。

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