要約
電気事業の制度改革や、世界のエネルギー需給、エネルギー安全保障、物価高騰、カーボンニュートラルに向けた動向など、わが国における電気事業を巡る環境は、近年めまぐるしく変化している。これらの変化の需要家への影響を計る指標の一つが電気料金であり、その推移や水準に関する諸外国との比較は、多くの人々の関心を集めている。
本資料は、電力中央研究所報告Y11013「電気料金の国際比較と変動要因の解明 -主要国の電気料金を巡る事情を踏まえて-」の、電気料金の国際比較部分のデータを2024年までアップデートし、わが国の電気料金の水準や長期・短期の推移、物価影響について、諸外国と比較しつつその実態を把握するとともに、主要な背景要因となりうる電源構成や燃料価格の推移についても概観する。
また、米国については、州によって料金水準が大きく異なることから、州別の電気料金に着目し、昨今話題となっているデータセンター設置による電気料金への影響についても考察する。
なお、電気料金の国際比較に際しての留意点については、研究資料 SE23501「電気料金の国際比較 ―2022年までのアップデート―」もあわせて参照されたい。
免責事項
本ディスカッションペーパーは広く意見やコメントを得るために公表するもので、意見にかかる部分は筆者のものであり、電力中央研究所または社会経済研究所の見解を示すものではない。