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研究資料 詳細情報 Detailed Information

報告書番号 Report Number
Y17508
タイトル Title
海外の送電事業者の利益率に関する分析―英国のNational Gridの事例―
概要 Abstract ※図表や脚注は「研究資料全文」に掲載しております

背 景

 英国の送電事業には、インセンティブ規制の一種であるレベニューキャップ規制が適用されており、費用削減によって得られる利益は、原則として全て事業者が確保することが認められている。その利益率注 ) を見てみると、英国の主要な送電事業者であるNational Gridの場合、20%以上の大きな値となっている(図1)。

目的

 英国のNational Gridの利益率が高い背景について、費用削減による効果、およびレベニューキャップ規制の収入の上限値に考慮されている事業報酬の規模について検証する。また、高い利益の配分先についても考察する。

主な成果

1. 費用削減が利益率に及ぼす影響

 National Gridの実績費用は料金改定時の想定費用よりも約12%低く(図2)、National Gridは、インセンティブ規制の下で費用削減に努め、結果として利益率を高めている。

2.事業報酬が利益率に及ぼす影響

 事業報酬の規模について、レートベースと事業報酬率に分けて分析をした結果、National Gridの需要量あたりのレートベースはわが国の約0.7倍とやや小さいが(図3)、報酬率はわが国より約2.4倍高いことが分かった(表1)。このため、収入の上限値に含められている事業報酬の規模は、National Gridの方がわが国の電力会社の送電部門の平均値よりも大きく、結果として利益が高まっている。 また、事業報酬率の算定の内訳をみると、英国ではわが国よりも自己資本のウェイトが他人資本に対して大きく(0.4)、自己資本報酬率も高い(7%)。実際に自己資本報酬に考慮されるNational Gridのβ値注 ) をみると、2012年までわが国の電力会社よりも高く推移してきたことが明らかになった(図4)。

3.National Gridの利益の配分先

 National Gridの利益率は高いものの、その配分先としては支払利息および配当等が挙げられる。このうち、配当金の割合が利益の規模につれて増加し、大きくなっていることが分かった(図5)。実際に、英国ではわが国よりも株式の配当性向が高く(図6)、National Gridにおいても、経営努力の成果を株主に多く還元していると考えられる。

報告書年度 Report's Fiscal Year
2017年度
発行年月 Issued Year / Month
2018/3
報告者 Author
澤部 まどか
筒井 美樹
キーワード Keywords
利益率、事業報酬、レートベース、β値、配当金

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