チームワーク評価手法の開発



背景


日常業務におけるヒューマンエラーの防止や速やかなトラブルシューティングのため、設備産業のみならず、さまざまな分野・領域でチームパフォーマンス向上に関する関心が高まっている。優れたチームパフォーマンスを発揮するためには、課題・問題を解決するための専門的技術・知識に加え、メンバーが互いの長所を生かし、また短所を補うチームワークが不可欠である。このチームワークの重要性は古くから認識されているものの、その評価は評価者の主観に委ねられているため、評価者によって、評価やチームワーク向上のための指導が異なる場合がある。


目的


チームワークを客観的に評価できる評価手法を開発する。


主な成果


(1) チームワーク評価要素
原子力、火力発電所の運転訓練施設の教官との議論、チームとして活動することのメリットを踏まえ、図1に示すチームワーク要素、同サブ要素を明らかにした。

(2) 行動観察によるチームワーク評価手法
図1に示す動的チームワークサブ要素を評価する行動観察型チームワーク評価手法を開発した。以下に特徴を示す。

  • ・運転訓練シミュレータによる異常事象対応中の行動を、訓練指導員らが観察評価する。
  • ・評価者の主観や評価場面のずれによるバラつきを抑制するため、評価対象とする場面、評価基準、評価の主な対象者をあらかじめ整理した評価シート(図2)に基づいて、評価を行う。
  • ・評価(採点)の結果は、チームワークサブ要素ごとに集計され、図3に示す評価結果表に集約される。


(3) 質問紙調査によるチームワーク評価手法
行動観察での評価が困難な静的チームワークサブ要素を評価するために、既存の心理測定尺度を参考にして質問紙型チームワーク評価手法を開発した。本手法では、チームの志向性、リーダーシップなどの評価が可能である。

今後の展開


チームワークの向上に有効な教育・訓練手法の開発に向け、チームワークへの影響要因を明らかにする。


[関連報告書]




(図1)


(図2)


(図3)