原子力技術研究所で開発したソフトウェアの一部をご紹介します。
配管減肉予測ソフトウェア:FALSET(FAC and LDI Prediction Software for Pipe Wall Thinning)
開発時期 |
2012年4月登録(現在の継続開発中) |
特徴および概要 |
発電プラント配管における主要な減肉現象である流れ加速型腐食(FAC)および液滴衝撃エロージョン(LDI)による減肉速度の予測と余寿命の評価が可能なソフトウェアです。 |
期待される効果 |
現行の減肉管理規格では肉厚測定に基づき減肉速度と余寿命を評価していますが、この一部を予測で代替することで、肉厚測定実施時期の最適化が可能となります。 |
個別故障率ベイズ算出システム:BUDDA(Development of Bayesian Update Database for PRA Data Analysis)
開発時期 |
2011年3月 |
特徴および概要 |
統計の専門知識がなくても発電所現場のデータを用いて個別プラントPRAのベイズ更新機能による故障率算出が出来る、個別故障率ベイズ更新システムです。複数のデータセットの管理、データ追加および更新、ベイズ処理機能等を有し、故障率以外の信頼性分析もできます。 |
期待される効果 |
現場でも最新の状況を個別故障率に反映することができるため、リスク情報の共有や技術が浸透しPRAの品質向上が期待できます。 |
特記事項 |
- 特定分野で多目的に使用できます。
- 研究所および電気事業に有効性が高いものです。
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確率論的リスク解析ライブラリー:FATALPRA(FrAmework of level 1 probabilisTic risk AnaLysis)
開発時期 |
2015年7月 |
特徴および概要 |
フォールトツリー/イベントツリー解析の解析機能を実装したライブラリーです。最小カットセット法や二分決定図といった既存の解析手法に対応しており、柔軟なFT/ET解析ができます。また、ライブラリーに機能を追加することにより、既存ソフトウェアで対応ができなかった問題にも対応できるようになっています。 |
期待される効果 |
本ライブラリーを用いることにより、リスク評価ツールやリスクモニターなどの構築が容易になります。また、FATALPRAを用いることにより研究機関での研究プロセスを短縮することができるため、大学等の研究の参加障壁を減らすことができます。
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特記事項 |
- 特定分野で多目的に使用できます。
- 客観的評価を必要とするため、外部に広く使用許諾し、改良を図る必要があります。
- 研究所および電気事業に有効性が高いものです。
- FATALPRAとしてオープンソース化しています。
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二分決定図:Binary Decision Diagram
開発時期 |
2016年6月 |
特徴および概要 |
確率論的リスク解析ライブラリーの二分決定図解析機能を追加するためのライブラリー。本ライブラリーは単体でも動作可能。 |
期待される効果 |
FATALPRAと用いることにより、PRAモデルの理論解を得ることができる(当研究所開発ソフトウェアの内製化)。 |
特記事項 |
- 客観的評価を必要とするため、外部に広く使用許諾し、改良を図ります。
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確率分布計算システム:PDCS(Probability Distribution Calculation System)
開発時期 |
2004年7月 |
特徴および概要 |
クリアランスレベル検認時の測定や核種組成比の不確実性を合理的に考慮するために、クリアランス判断に設定すべき安全裕度を与えることのできるモンテカルロ計算コードです。 |
期待される効果 |
本コードは、日本原子力学会標準「クリアランスの判断方法2005」に採用されており、今後の実際のクリアランス申請でも活用される予定です。より合理的なクリアランス判断が可能となります。 |
特記事項 |
こちらからダウンロードできます。 |
ヒューマンエラー傾向自己診断ツール
開発時期 |
2015年12月 |
特徴および概要 |
エクセル上にて起動し、質問項目に回答すると自動的に自身のエラー傾向ならびにエラーに関連する性格特性について、判定結果が出力される |
期待される効果 |
個人のおかしやすいエラー傾向4種類(忘却、入力、注意の偏り、短絡的思考)ならびに2つのエラーに関係する性格特性(勤勉性、情緒安定性)について、自己診断が容易に行うことができます。また、データの保存が可能であるため、社内において分析を行うことも可能です。
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