電気を安定して送るために

電気を安定して送るために その6 系統安定度を維持する

わたしたちが何気なく使っている電気は、遠くの発電所で作られ、長い距離を送られてきています。 電気をいつでも快適に使えるように、電力会社では、さまざまな調整をしているって知っていますか?
その6「系統安定度を維持する」では、品質の良い電気を安定して送るために必要な3つのカギのうち、系統安定度を維持することについて詳しく紹介します。

交流の電気を送るしくみ

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交流の電気を送るしくみは、2つの円盤を「ひも」でつないだ『筒』に似ています。

「使っている電気の大きさ」に合わせて、発電所側の円盤を回して、筒のねじれによって、電気を使う側の円盤に『力』を伝えるようなイメージで電気を送っています。

電力系統とは

電気は色々な場所にある発電所から、さまざまな送電線や変電所などを通って送られてきます。

これら全体を『電力系統』と言います。

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「系統安定度を維持する」とは

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電力系統には電気を送るしくみを表す筒がたくさんあって、全ての筒が同期して、同じ速度で回転しているイメージです。

そして、この筒のひもがねじれて切れないようにすることが「系統安定度を維持する」ということ。

系統安定度を維持することが難しくなるとき

電気を送るしくみでは「ひもの一部が使えなくなるとき」「ひもが長くなるとき」「筒の半径が小さくなるとき」「おもりが重すぎるとき」に、ひもがねじ切れやすくなります。

このようなとき「系統安定度を維持する」ことが難しくなります。

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送電線によって送ることができる電気の大きさが違う

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送電線によって送ることができる電気の大きさには限度があって、電気を送る距離や電圧などによって決まります。

系統安定度を維持するためには

電力会社では、雷や事故などで送電線の一部が使えなくなることを考えて、それぞれの送電線で送ることができる電気の大きさを制限しています。

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また、大きな電気を遠くまで送る時には電圧が下がってしまうので、変電所でコンデンサを入れて電圧を調整しています。

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